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主な建築工法について

こんにちは。

今月のとりすみコラムを担当させていただく、営業スタッフの福岡です。

宜しくお願い致します。

一戸建て住宅、特に注文住宅を建築しようとしている方にとっては、建築工法も悩みの種。

一般的な一戸建て住宅の建築工法に着目して、それぞれの建築工法のメリットとデメリットを

確認してみましょう。

・主な建築工法の種類と特徴

どの工法が一番良いということはなく、それぞれの工法にはメリットとデメリットがあります。

一戸建て住宅の建築工法の種類と特徴を見て行きましょう。

・木造軸組在来工法

 

 

 

 

 

 

 

(図面は住宅情報サイト LIFULL HOME’Sより)

 

日本古来より伝わる伝統的な工法です。木の柱と梁で骨組みを組み、“筋交い(すじかい)”

という斜めの材で地震等の横からの荷重に耐える構造になっています。

日本で昔から建てられてきた工法のため、日本らしいデザインが最も引き出せる工法と言えます。

そして、木という素材は鉄やコンクリートに比べて、軽くしなやかな上に遥かに高い断熱性能

も持ち合わせています。コストの面でも比較的低く抑えられます。

また、木は火事に弱いと思われている方もいるかも知れませんが、決してそのようなことはありません。

薄い木は直ぐ燃え尽きてしまいますが、柱や梁のような太い木は表面が炭化することで、

内部を守り、構造耐力がなくなるまで燃え尽きるにはかなりの時間を要します。

そのため、建築業界でもこの木の耐火性能が見直されています。

一方で、木は自然素材の良さが最大の魅力である反面、床下や屋根裏の湿気による腐朽や

シロアリ等の害虫による被害などが多いことが難点です。

また、一般的な木造軸組在来工法では、壁に筋交いを入れる必要があったり、鉄やコンクリートに

比べると強度が劣るため、柱のない大空間や壁全面窓等の設計の自由度は低くなりますが、

大断面材を使用することで、大スパンでも設計できます。

http://www.torisumi.net/works/(トリスミ集成材HP)

・木造枠組壁式工法(ツーバイフォー工法)

 

 

 

 

 

 

 

(図面は住宅情報サイト LIFULL HOME’Sより)

 

アメリカから伝わって来た、材料寸法や釘等が規格化された非常に合理的な工法です。

木の間柱(2インチ×4インチ等)と合板等の板材で壁を作り、壁で建物を支える構造になっています。

材料寸法や釘の規格化によるコストダウンが期待出来るのに加えて、職人の技術差による

施工ミスを少なくすることが出来るのが特長です。

木という素材の断熱性能が期待できるのに加え、規格された合理性をそのままに、間柱を4インチ

から6インチや8インチに変えることで壁の厚みを増し、断熱性能を高める等、工法の特長を活かした

住宅もよく見られるようになってきました。

北欧や北米などで見られる高気密高断熱の家もこの工法の応用です。柱や梁という点で

支えるのではなく、壁という線や面で全体を支える工法ですので、地震等にも非常に

強いというメリットがあります。

その反面、壁の量と配置バランスによって建物が構成されているため、壁に大きな窓を

開けたりすることは不得手な工法と言えます。

壁自体が構造躯体であるため、この壁を貫通させてリフォームしようとすると著しく構造強度のバランスが

悪くなる恐れがあり、リフォームの自由度は非常に低い。

・鉄筋コンクリート工法

 

 

 

 

 

 

 

(図面は住宅情報サイト LIFULL HOME’Sより)

 

鉄筋という鉄の棒を網目状に組み、周りを板材で囲いを造り、そこにコンクリートを流し込むことで

柱・梁・壁・床等を造る工法です。

コンクリートは脆く割れやすい、鉄筋は錆びやすい、というそれぞれの素材の弱点をお互いに

補うことで、強固な構造となります。

鉄とコンクリートは熱による膨張率がほぼ同じであるなど、相性がとても良く、お互いの良い所取りを

した工法とも言えます。また、コンクリートはとても重いため、音が伝わりにくく、防音性能にも

優れています。

しかし、建物の構造を造るだけでも【鉄筋工】→【型枠工】→【コンクリート流し込み】→

【固まるまで待つ】→【型枠外し】と工程が非常に多く、手間も時間も必要となります。

そのためコストもふくらんでしまう工法と言えます。

また、コンクリートは熱を通しやすく、また熱を溜め込む量が大きいという特徴を持つ材料です。

そのため、冬場は室内の熱が屋外に逃げやすいために寒く、夏場は日中の日射を溜め込んで夜に

放出されるために寝苦しい等、快適性を阻害する要素にもなります。

・鉄骨組工法

 

 

 

 

 

 

 

(図面は住宅情報サイト LIFULL HOME’Sより)

 

鉄の柱や梁で骨組みを造る工法です。基本的な構造の考え方は木造軸組在来工法と同様ですが、

鉄は木よりも非常に強度が高いため、柱や壁がない大空間や大きな窓を付けたりすることのできる、

自由度が高い工法です。

また、鉄はとてもしなやかで強く、細い材料で強い構造を造ることができるため、内部をすっきりと

した圧迫感のない空間にすることができます。

一方で鉄は熱を通しやすいため、冬場は室内の温められた空気が外に逃げ易く、室内外の

温度差による結露が生じやすくなります。

また、他の工法と比較して、火災時の高熱に弱い点や、防音性が劣るというデメリットがあります。

300°C を超える温度まで溶融しない1とされていますが、鉄骨構造は約 425°C で軟化し始め、

650°C に到達すると強度の半分を失う可能性があります。

多くの場合、建物火災は 800°C を超える温度に達します。

・建築工法メリット・デメリットのまとめ

木造軸組在来工法
メリット
・日本古来の伝統工法で最も日本らしいデザイン
・低コストに抑えられる
デメリット
・シロアリ等の害虫被害を受ける可能性がある(防蟻防腐処理で対応)

木造枠組壁工法
メリット
・高気密・高断熱にし易い
・合理化されており施工ミスが少ない
デメリット
・シロアリ等の害虫被害を受ける可能性がある(防蟻防腐処理で対応)
・壁に大きな開口部を開けにくい

鉄筋コンクリート工法
メリット
・耐久性・耐震性に優れる
デメリット
・夏暑く・冬寒い(断熱性能を持たせにくい)
・柱梁が太い

鉄骨組み工法
メリット
・柱梁が細く、開口も大きく開けられる(設計自由度が高い)
デメリット
・防音性能に劣る
・結露し易い

 

それぞれの工法の特長をおさえた上で建築する時期の気候、建物の大きさや規模とコストとの

バランスの良さで建築工法を選びましょう。

次回の宜しくお願い致します。

あらゆる分野の建築をクリエイト