誌面掲載物件(かわかみ源流学園 やまぶき保育園)
こんにちは
今月のとりすみコラムを担当します、建築スタッフの東山です。
どうぞよろしくお願いします。
建築誌『近代建築』2024年7月号に、弊社が係わった物件が掲載されました。
工事名 川上村保育園並びに義務教育学校 新築工事
所在地 奈良県吉野郡川上村西河105-1
当該工期 令和5年4月~7月 (部材加工)
用途 保育園・義務教育学校(やまぶき保育園・かわかみ源流学園)
延床面積 保育園 826.59㎡(木造2階建)・義務教育学校 3168.84㎡(木造3階建 一部RC造)
木材の使用 (2棟合計 構造材のみ) 集成材 281.81㎥ + 製材 119.17㎥ = 合計 400.98㎥
木材の産地 集成材・製材ともに川上村産材(樹種:スギ・ヒノキ)を使用
保育園は製材をメインとした木造軸組構造で、主要な柱・梁はボルトで縫って併せ部材として加工を施し、大断面化を図った手法を採用しております。
義務教育学校は210幅の集成材がメインの大断面構造で、床梁には750せいの部材が多く使われました。
また建築基準法改正により、3階建ての1時間準耐火構造が可能になったため、木部の構造体が現しになっております。
準耐火構造とは、火災時に一定時間倒壊しない構造です。(この建物の場合は1時間)
燃え代設計も告示に示されているため、木材の構造部分を直接現しにすることができます。
木材は川上産吉野材を使用しました。原木を調達した村有林は、「吉野林業中興の祖」「日本林業の父」と呼ばれた
土倉庄三郎翁が、川上村長時代(1900~1903年)に村の基本財産をつくる目的で造林を進めた人工林から
切り出されたそうです。
先人の方々が大切に守ってきたものが、100年以上の時を経て、現代の教育の場に形を変えて受け継がれていきます。
「校舎自体から村の歴史を学ぶことができる学校って、卒業してからも郷土愛に溢れ健やかに育っていくのかな。」
って、思いました。
この学校について、より詳しく説明されている川上村の当該サイトを貼付けましたので、もしよければ覗いてください。
また敷地内には、こどもセンターも併設されています。
https://www.vill.kawakami.nara.jp/edu/ces/
約4カ月間、この物件の機械加工を行いました。2棟合わせてボリュームも(約400㎥)そこそこありましたが、
大断面集成材(弊社製造)がメインだけあって、ひとりでやるには結構やりごたえがありました。
特に平使いの筋交加工には気を使いました。断面が480×210の材を加工する時は、
機械スペック上2次加工(やり直し)が出来ない状況なので、データのチェックはより慎重に行いました。
結果やり終わってみれば、私が今まで経験した物件の中で5本の指に入るような加工案件でした。
集成材を製造してくれた弊社工場の皆さん、出荷する為の仕上をしていただいた大工さんのお陰で、
無事故無災害で完了することが出来ました。
そして、無事部材を取付けていただいた施工業者の皆さま、ありがとうございました。
お陰様で、地図に残る(ランドマークになるような)物件に関わることが出来ました。
この場を借りて御礼申し上げます。
また何か興味深い物件がありましたら、ご紹介したいなと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回もよろしくお願いします。