【住宅情報】「卒FIT」向けに各社新たな買取プラン
住宅用太陽光発電による余剰電力を固定価格で10年間買い取る「余剰電力買取制度」。今年11月には買取期間が終了する、いわゆる「卒FIT」の住宅が現れる。卒FITの対象となる世帯は今年だけでおよそ53万件。その後順次世帯は増え、2023年には約165万件・670万kWに達する見込みだ。卒FIT後も続けて売電するには、改めて現在契約している電力会社か他の電力会社と契約する選択肢がある。現在大手電力会社が発表している電力の買取プランは四国電力・中部電力7円/kWh、中国電力が7.15円/kWh、北陸電力・関西電力が8円/kWh。各社、この他にもポイントや電力以外のサービスを付加価値として加えたプラン等を用意している。一方、一般家庭等を対象に電力小売事業を展開する新電力会社の中には大手電力会社よりも条件の良い買取価格を提示することで、新たな顧客を獲得しようとする動きがある。
FITの対象だった電力はこれまで、ほとんどが大手電力会社によって買取られてきた。そのため現在の買取事業者以外は太陽光発電設備を設置している世帯のうち、どの世帯でFITによる売電期間が満了するのか正確に把握することができない。そこで現在買取りを行っている大手電力会社は他の事業者より優位な立場にあるとして、卒FIT後に締結する最初の買取契約においては、違約金を設定しない等、営業活動や契約に一定の制約が設けられている。
今後、11月の卒FITが近づくにつれ、より具体的な買取価格やサービスが各電力会社から提示されるだろう。売電契約は卒FIT後でも契約可能だ。そのため、自分にあった納得できるプランを選択することが重要となる。一方、売電以外にも選択肢がある。まず考えられるのが自家消費することだ。次に非常電源などの災害対策にまわすことが考えられる。昨年9月の北海道胆振東部地震で大規模停電が発生した際、太陽光発電を設置した住宅の約
85%が「自立運転機能」を利用していた。電気自動車を購入するというのも手だ。電気自動車に蓄えた電力は家庭用として使うことができる。なお、卒FIT後に、新しい太陽光パネルに買い換えたとしても、同じ場所での更新のため、再度FITの対象にはならないので注意が必要だ。
村地綜合木材株式会社 出典