【住宅情報】耐震改修には接合金物の提案が有効
世界中で起こるマグニチュード6以上の地震は約20%が日本周辺で起こっていると言われ、耐震性能の向上は最重要の課題といえる。木造住宅の耐震性能は建築基準法によって定められているが、建てられた年代によって異なる。2000年6月に改正された新耐震基準では接合部に金具を取り付けるよう規定されているが、それ以前に建てられたものに関しては金物がついていなくても問題とされない。古い基準の建築物では基礎や壁量、バランス等に問題を抱えている可能性がある。耐震改修には筋交を増やすことや構造用合板で壁を補強するイメージが強いが、他にも接合金物で補強する方法がある。接合金物の魅力は柱や壁が少なくても耐震性の高い空間にできること。木造軸組では柱や壁も接合部の改修で減らすことができ、床面積も確保できる。そのため大空間や大開口も含めた自由度の高いプランニングが行える。接合金物を使うことで木材の欠損部分を最小限に抑えながらしっかりと軸組みを固定できる他、ほぞ孔等をあける必要がなく、部材の強度が得られる。また、接合部の耐力が数値で明確な点も安心材料だ。注意しなければいけないことは錆びると強度が低下する点。雨水に対ししっかり養生をする必要がある。また、必要以上に取り付けると部材を傷める可能性もあるので適切な補強が重要だ。
村地綜合木材株式会社 出典