【住宅情報】耐震補強は接合部分の金物補強の検討を
震度7を記録し、死傷者804人、建物の全半壊が2032棟、一部破損が1万2600棟という大きな被害を生んだ北海道胆振東部地震から9月6日で1年を迎えた。気象庁によると、今年に入ってから日本周辺で発生した震度5弱以上の地震は7月時点ですでに5件。今年の6月18日発災した山形県地震では震度6強を記録し、149棟の住居に一部破損が生じたことは記憶に新しい。日本周辺には約2000の活断層が存在し、地震はいつどこで発生するか分からず、住宅の耐震化は喫緊の課題だ。国交省は、住宅と多数の者が利用する建築物の耐震化率について、2020年までに少なくとも95%に、2025年までに耐震性が不十分な住宅をおおむね解消することを目指している。
建築基準法に定められた耐震基準は震災などのたびに改訂されている。現行の耐震基準は木造住宅の接合部に金具を取り付けることや偏りのない耐力壁の配置等を義務化した2000年6月以降の基準で、数百年に一度程度の極めて稀に発生する地震(震度6強から7程度)に対して倒壊、崩壊しないレベルを求めている。例えば1981年5月以前の「旧耐震基準」で建てられた住宅は、壁や床、接合部分の補強を行うことで耐震性能を向上させることができる。特に2000年以前に建設された住宅の中には金物による固定が不十分な場合がある。柱と土台はアンカーボルトやホールダウン金物で接合し、柱と梁は羽子板ボルトによる引き止める――といった耐震対策を検討したい。
村地綜合木材株式会社 出典